飛騨高山が観光地として人気の理由は?(高山の底力編)

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春の高山祭の様子

ブログで一番人気の記事にあやかり、高山が人気の理由を考えた投稿をもう1つ。

飛騨高山が外国人に人気の理由は?(”たまたま”からの編)
飛騨高山は地方都市のインバウンドビジネスにおけるトップランナーを走っています。このポジションってもちろん先人達の長い間努力の結果でもありますが、宿をやってて感じる理由はもう少しシンプルなところにあるのかなと。

高山は観光産業で食っている。

国内観光客に加え、ここ5年間で急増した外国人観光客に何故人気なのかは、立地、自然・田舎のたまたま要素30年に渡って取り組み続けてきたインバウンド対応の取組みがはまったからだと書いた。

週末に町を歩くと、もう一つの理由があるなと。この理由が観光地 飛騨高山の底力を示すなと。

イベントが毎週開催されてる飛騨高山

高山市のHPに掲載されている2019年9月・10月のイベントカレンダーを見てみる

2019年9月のイベントカレンダー
2019年10月のイベントカレンダー

イベントがやたら多い。
週末なんかは毎週何かしらのイベントが開催されている。民間(?)、各町内で開催されてるイベントも足すともっと多い。

これって実は10万人レベルの都市ではできそうでできないことなのではないかなと。
シャッター街が増える一方の地方都市では、1回ではなく定期的にイベントを開催すること自体が体力的に容易ではないことは想像できる。

意図してないイベント効果?

イベントって目的・役割はそれぞれだけど、個人的には自分では開催したくない。

通常の業務に加えてイベントに向けた準備が必要となると今の僕らには余裕がないから。。宿に関していえば、その日の顧客満足度向上に繋がりはするものの、顧客のプラス評価をイベント開催で買う感じに捉えてしまうから。。

イベントの目的が「事業の売上UP」だとするならば、cup of teaは目の前のゲストの満足度を最優先に考え、ゲストの向こう側にいる友人・知人にcup of teaを紹介してもらえるよう努力することで将来の売上に繋げることが効果的なんじゃないかと考えています。

一方で高山で開催されてるイベントは意図してかは別にして、観光地としての魅力向上にうまく機能してるなーって思います。

積極的なプロモーションで1イベントへ集客するのではなく、出くわした観光客にイベントやってた、ラッキー!感を出すのに一役買っているのでは?と。
頻繁にやればやるほど、イベントラッキー観光客の割合が高くなり、結果、高山観光の満足度が上がる確率が高くなり、観光地として選ばれやすくなっている気がします。

なーんか遠出したいなー、どっかないかなーって時の適度な選択肢として思い出しやすくなってる結果、今の観光地飛騨高山があるのではと団子を食べながら思ったのでありました。

イベントのこれから

では、このイベント観光地は今後も来訪した客の満足度を高め続け、そのブランドを維持し続けられるのかというと、そこは違う気がします。

従来のイベントを続ける限りは、たまたまラッキー観光客自体が減っているため、たまたまラッキー総量が減り、観光地としてジリ貧です。ではどうするか。

イベント間の連携

市内で開かれるイベントを大きく①食べ物系、②木工系、③アンティークマーケット系くらいに分かれるとして、イベント毎に顧客層が異っているとしたら、連携してイベント周知することはできるのではないかなと。

もうやってるか知りませんが、高山市の年間イベントカレンダーなのか、観光客が「こんなイベントもやってんだー、また来よう!」と思ってもらえるようなプロモーションを十分に仕掛けられているでしょうか??

ラッキーを違うフィールドに繋げることで高山に来る理由を変える。従来のコテコテ観光地から自然へ、農業へ、産業へと、高山に足を運ぶ理由を変えていってはどうでしょう??

ま、もうやってるかもしれませんが。

イベント後の動き

イベントの目的がどこに設定されているのかは知りませんが、定期開催すればするほど、「イベントを開催すること」自体が目的になってる恐れがあります。

そして”来て下さったお客様が満足して帰ってくれたら私共は良いんです”と控えめになってるかもしれません。

でも、本来農家さんだったら自分の野菜のファンになってもらい直販先を増やしたいと思うだろうし、木工作家さんだったら来るべき家具を買うその日にぱっとあの日の素敵な思い出をもとに自分の家具を選んでもらいたいはず。イベントをきっかけに顧客との継続的な関係を築き、結果、BUYしてもらいたいのでは?と。

だとするとその後のフォローアップ、顧客との接点をどう広げていって、いかに自分の事業メリットを見出していくかって、イベントを企画・運営する際に考え抜いておく必要があります。
一度だけのお付き合いじゃなく、末長く幸せな関係を築くきっかけとしてのイベントと捉え直す必要があるのではないでしょうか。

難しいから具体的な方法はよくわかりませんが。

そもそもイベント?

イベントを企画・開催するコスト・労力は相当なものとすると、限られた資源の中でまずやるべきことは、定期イベントを無事開催させることではなく、自分たちが持つ資源の力をもっともっと付けることではないでしょうか。

そしてコアファンができた結果、イベントを開催して更なるロイヤリティに繋げるって順序もありなのではと。

イベント開催による従来の観光資源に対するお値段以上ニトリ的なポジションから脱却しないと、相変わらずのイベントを開催し続けるしか策がなくなり、やがて観光地としての地力もなくなる。

僕にはイベントを開催する体力がないから口出す資格なんてないし、イベントあったら家族で参加してるし、ちょっとラッキーと思ってるから、こんなこと書くのはおかしな話ではあるのだけれど、それでも、ね。


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