銭湯経営のあれこれ – 燃料と人

銭湯

前回の投稿では銭湯経営は家族経営であったからこそ成り立つ側面があると書きました。人件費を収支の計算に入れると、たちまち利益が食われる、それが銭湯。削ろうと思っても削れない。銭湯はどのように経営したら良いものか、と日々考えています。

銭湯経営は燃料と人

ほとんどの銭湯は家族経営です。家業のゆうとぴあ稲荷湯も朝のお掃除を手伝ってくださる人はいるけれど、基本は家族で運営しています。かれこれ創業75年。単一事業を家族だけで続けてきてる、ある意味奇跡な事業であります。

高山市には最も多い時期で27軒の銭湯があったのが今は3軒。

なぜ銭湯は経営が厳しく閉店していくのか。
一番大きな理由は「後継者がいない」です。家族経営だから後継いなけりゃ閉店です。実際市内3軒の銭湯のうち、後継者がいるのはうちだけ。

じゃー外部の人を雇ったら良いじゃないってなるけど、外部の人に任せると人件費がかかります。
人件費も賄えないなら運営を続けることは無理では?の意見は置いておいて・・。

銭湯の経営における3大キャッシュアウトは人件費・燃料費・修繕積立金。
家族以外の人を雇うためには3大キャッシュアウトの残り2つを減らすしかありません。修繕積立を削ったら設備投資回すお金が減るため、設備ありきで事業がまわる銭湯にあっては絶対に削れません。

では燃料は??

世界情勢が銭湯経営を大きく左右する

ゆうとぴあ稲荷湯は井戸水を灯油で温めて使っています。

灯油は毎回の仕入量が1トンを超えるため灯油価格の変化が利益に大きく影響します。
原油価格が岐阜県高山市の小さな銭湯の経営に大きく影響えるため、我家は世界情勢に敏感です。
(サウジアラビアで起きた石油施設攻撃の事件なんて、我家では今後を占う大きな事件としてヒヤヒヤしながらニュースを眺めておりました。)

中東情勢が緊迫すれば高山市の銭湯経営は厳しくなり
シェールガス革命が原油価格を下げれれば高山市の銭湯経営者はハッピーになる。

一銭湯事業者ではどうしようもないことなので、世界平和と技術革新を願いつつ僕らはいかに燃料代を抑えるかを考えます。

燃料代を下げるには 燃料負担を下げるには

お客さんを増やす

そりゃそうです。

お湯を沸かすために必要な灯油はお客さんが増えれば増えるほど、燃料効率が良くなります。
50人来て50L消費する場合でも100人来ると75Lで済むように。

お客さんが増えれば、その分一人当たりの売上に対する原価が下がり、利益率が上がるのが銭湯。
お客さんの人数がどれだけ増えても、日々のルーティンワークの負荷にあまり変化のないのも銭湯。だったらお客さん増やしたいです。

お客さんを増やすためにあの手この手を尽くすわけですが、それでも宿と同じで売上の上限(席数 x X回転)があるのと、世界が片田舎にある銭湯の経営を脅かすのはステキじゃないなという思いが残ります。

新しい燃料を探す

灯油依存を減らせないか。

銭湯で考えられる代替エネルギー源として太陽熱、太陽光、木質燃料、水素(!?)とかがあるみたいだけど次の改装までには、新たなエネルギー源を見つけて灯油依存を減らしたいなと考えています。

あと、灯油代って無条件に寒冷地で冬を乗り越えるために支払う代価みたいになってますが、そこを変えれないかーとも考えていて。聞いたところによると高山市全体で一冬越えるのに支払われる灯油代は24億円にのぼるとか。

銭湯の枠は越えますが、このお金が半分になったら・・とは思うのです。。

ま、エネルギー問題は先の長いお話なのでこの辺で。

浮いたお金は人へ

もし、もしも灯油代金/負担を軽くする事ができたとすれば、やっぱり人にお金をかけたいです。

銭湯の業務を簡単に説明すると、掃除・スイッチオン・開店・掃除です。
唯一の顧客接点は番台に座る人間であり、設備の優劣以上に番台に座る人がその店の命運を握っていると言っても過言ではない。

そして掃除。
どんなに暇でも、どんなに忙しくても毎日の掃除は欠かせないし、たとえ技術革新が世の中を大きく変えたとしても、銭湯掃除ロボットが開発されるのはいつの日になるのやら。

温度調節やら空調管理なんかはセンサーと制御システムで自動化したとしても、番台人と掃除だけは生身の人間でしかできません。

でも、番台に座る人間の周りにコミュニティができあがり、地域住民にとってのサードプレイスを作るんです。宿でもそうだけど、その掃除で事業の成否が決まると言っても過言ではないです。

だったらその人にお金をかけたいのだけれどもー。

どうしたら良いですか?

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