これからの雇用者と被雇用者の関係 – 宿スタッフの働き方2

宿

2つの施設を2人で運営しているcup of tea とcup of tea ensemble。

暇なときは良いんですが、これからの夏休み・お盆シーズンをこの体制で迎えるのはGWを振り返っても自殺行為。

が まだまだ次の一手を打つための新規雇用なんて考えられる状態とは程遠く。

そんな中 新しく仲間になって欲しいなーと思う子とお話ししてた時の一コマ。

”cup of teaで働く場合のJOB DESCRIPTION(仕事内容)ってどんなんですか?” と。

ゲストハウススタッフのJOB DESCRIPTIONとは

はて

他の宿のそれを見てみる

ホテルフロントにてチェックイン・アウト業務(カードキーの受け渡し、ご宿泊代の精算)、予約受付や電話対応などをお願いします。夜間は事務業務(ネット予約のデータ入力や書類作成)も有。


改めてcup of teaのJOB DESCRIPTIONを考えて
そして至った結論

「JOB DESCRIPTIONはない」


確かにチェックイン対応は必要だし、電話/メールでの対応も必要だ
でも、それを仕事としてやってもらう対価としてお金を払うのか?なんか違う気がする。

今のcup of teaはJOBとしてDESCRIBEできる仕事はほぼ自動化されてるので、それらを実行してもらうことに対してあまり価値を見出せない。時間を拘束する訳だから、その対価は当然支払わなければいけないのだけど。

JOB DESCRIPTIONをもとに人を雇用した場合、そこに雇用者と被雇用者の関係が生まれる感じが気持ち悪いのと、JOB DESCRIPTIONをもとに人を探すのが気持ち悪いなと。

この気持ち悪さの原因を考えると、僕自身が雇用者/経営者として、こいつを一生食わせなければいけない、とは思ってないっていう点と、この仕事(作業)をしてもらう人を探そうっていう順序に違和感があるんだなーと思うのであります。

では一緒に働く仲間との理想な関係ってどんなんだろうなと考えてみました。

cup of teaなりの人との付き合い方を考えてみた

その人にあった役割・働き方があって、そこ基点でcup of teaへの関与の仕方を考える、この順序なのかなと。

求人を出す→面接→働いてもらう のではなく、

出会う→一緒に働きたい→何ができる?じゃー何する?で、どう働く?を一緒に考える→必要であれば都度見直す

この流れに加えて、その人にしかた出せない/その人がしたい価値発揮の部分を事業化して互いにシナジーを享受できる関係性をつくっていくのが理想だなと。

人が慢性的に不足している地方都市において、こんな仕事があります、興味ある人いますか?のアプローチだと数ある求人情報が横並びにされ、定量的な指標で比較検討される。雇用者側も小さなバイの奪い合いを強いられる。

宿の場合、働き先の選定基準が給料(時給)・労働環境(時間・休日)となる可能性が高くて、そうなると資本力で勝る地域外資本に人が流れ、地元の事業者からの引き剥がしが起こり、地域の零細事業者は人がいなくてチーン・・と更に弱体化する。

働き始めると被雇用者は被雇用者として振る舞う。JOB DESCRIPTIONの枠を出ない。んで他の見栄えするJOB DESCRIPTION(もっとコスパが良さげなところ)が見つかるとさくっと転職する。
雇用者は同じようにJOB DESCRIPTIONをもとに人を探す/見栄えを改善させてから人を探す、そして見つからないので人不足を嘆く。

ではvision drivenで外から人を招き入れるのはどうか。visionに共感してもらうのは本当に嬉しいのだけど、visionにフィットしてる人ばかりを外から呼び込むのはどうかと。自分のvisionに地域性が多少なりとも入っているのであれば、まず見るべき・一緒に働くべき人は地域の人であるべきなのではないかと。外の人と目指すvisionからは「未来」がつくられはするだろうけど、「過去」から「現在」、「未来」への繋がりは弱くなる、気がするのです(必要かどうかはまた議論が分かれますが・・)。

じゃなくて、今そこにある人含めたリソースの中で地道に密度を上げていき、そこでvisionを共有・共感し合いながら一緒に働く。雇用者/被雇用者ではない関係で互いに支援する関係を築く。じゃないと小さな事業者はこれからどんどん人を集めることもできなくなるか、visionが一人歩きして地域との温度差が生まれていってしまうのではないかなーと思うのです。

雇用のあり方も事業のあり方との整合性がないといけないんだと思う

大きな会社・強者のKPIはこれまで通り資本を増やすことだとしたら、①他の事業者よりも見栄えのするJOB DESCRIPTIONを書いて地元企業から人を引き剥がす、②外国人労働者 or リゾートバイトの若者で頭数を補う、③テックでレバレッジかけまくるのが人材不足な時代の戦い方なんだろう(そこに事業の持続可能性があるかはおいといて)。

この戦い方だと被雇用者を宿スタッフとして扱うことで宿の可能性は広がらないし、売上も中長期的には安定しない。(宿が箱(機能)勝負になっちゃってレッドな競争を強いられる)

cup of teaは最小限の人(数は多いかもしれないけれど、各自の工数は最小限が理想)だけど、そこには多様な働き方を下支えする仕組みと馴れ合いではない相互扶助の関係性とで生き残りを目指したいなーなんて 思うわけであります

小さく風前の灯なcup of teaが強者と同じパイから人探しをしていては事業の継続を常にビクビクしないといけない。そうじゃなくて小さく弱い者はそれなりの人との付き合い方があるはずで事業を通して目指すべきvisionとそこで働く人との付き合い方は整合させていかないと、いつの間にか自己満足な組織になってしまうんじゃないかなーと思ったのであります。

できるかどうかはさておき。

中村匠郎ニュースレター

滅多に送られてこないメールマガジンです。活動報告やイベントのお知らせ、ボランティアの募集などをひっそりと配信しています。

いつでも購読解除可能です。プライバシーポリシーはこちら。

宿

コメント