12月15日で2号店cup of tea ensembleを開業し1年が経つ。
多くの方々に支えられ、対外的にも評価された2号店はコロナ禍においても奮闘してくれています。
空間デザイン賞 2021 – サステナブル空間賞受賞
ウッドデザイン賞 2021 – 奨励賞(審査委員長賞)受賞


年が明けるとコロナ禍となって2年が経つ。
息してるだけで感謝感謝の状況ですが、1年元本据置きとしていた2号店の返済が今月から始まるこれからが実は本当の勝負、、
コロナの収束がほんの少し見えてきた今、一度この2年間を振り返ってみようと思う。
時系列に並べただけで お腹一杯な2年間
2020年
1月
オリンピックイヤーとなり順調に2019年の売上を上回る予約も入り、相変わらずのバブルっぷりに左団扇状態。減額作業に苦しみながらもオリンピックまでにオープンさせなくちゃ!
そう言えばこの頃によく風邪ひいてたな。。
2月
武漢発のインフルエンザを理由とした予約キャンセルが徐々に出始める。
風邪?喧しい!キャンセル料徴収!!
そんなことよりオリンピックっ!融資おりてないけど工事着工!
3月 – 4月
コロナウィルスへと名前を変えた怪物が全世界で猛威を振るう
連日連夜のキャンセル嵐。なにこれ。
5月
月間売上 :25,388円

スタッフいなくなり1人ぼっち。 ちーん。
工務店からは支払の催促 & 銀行からは融資のための追加書類提出の催促。 ちーん。
6月 – 11月
東京オリンピックも延期が決まり終戦。
どうせゲスト来ないしってことで、2号店の改装工事に心血注ごうと意識を無理やりそちらへ向ける。
自転車をひく。被害者はcup of teaのお客様。
ぷつんと何かの線が切れ、取り敢えず妻と子をのこして京都へ逃亡。金欠の最中に骨董品で散財。
12月
cup of tea ensemble 開業。
開業を機に仲間に入ってくれたキョーヘー君と2施設を運営。夜は銭湯のお手伝い。
今もだけど、僕の1日は掃除で始まり掃除に終わる。
2021年
1月 – 2月
2号店の電気代が月間売上30万円に対して6万円。
これ、事業成立するんかいな、と開業早々不安で押し潰されそうに。
3月 – 4月
この期間の記憶はあまりない。多分掃除しかしてない。
高山祭も2年連続の縮小開催となり、獅子舞の振り付けもほぼ忘れた。
5月
妻妊娠。 他にやることなかったんか。
6月 – 11月
梅雨の期間はキツかったけど、7月後半の夏休シーズン・シルバーウィークで確実な需要回復を実感。10月以降は土曜日黒字、その他赤字の状態が続き、コロナを理由とした旅行控えは解消された感有。
12月
オミクロンにビクビクしながら
本返済開始にはもっとビクビクしながら
第二子誕生にワクビクしてる今日この頃です。
いやぁお腹一杯。。こうして並べるとあっという魔の2年間だったな。。
それでも2020年5月以降は右肩上がりの成長を続け、なんとか暖かい食事と共に2022年を迎える目処がたちました、ありがとうございます!
コロナ禍の2年間で得たもの
補助金
国、県、市、県、国と手当たり次第に申請。何とか事業を継続してこれたのは補助金のお陰であり、締切前日の支援依頼にも苦笑いながらに対応頂いた商工会議所の榎本さんには感謝しかない。
ポジティブ諦メンタル
2020年の売上が25,000円を記録し、オリンピックが延期となり、個人としての借金が大台を超え、ゲストと事故った挙句に京都の禅寺いったら、吹っ切れました。来ないものは来ない。
それ以来緊急事態宣言が延長しようが、お盆に台風直撃してキャンセル電話が鳴りっぱなしになろうが(何故か皆、同行者がコロナに感染したと言っていました。)、心穏やかに微塵も表情を変えることはなくなりました。
コロナ禍の2年間で失ったもの
宿の評価
ゲストには大変申し訳ないですが、この期間、最も優先順位を高くしたのは自分達のメンタルでした。
2人で2つの施設を運営しているため、できることには当然限界があり、何もかもゲストの満足度を高めるために頑張り過ぎると、こちらのメンタルがやられます。何時に到着するか分からない1組のゲストを電気代節約のために暖房切った寒い施設で待つのってきっついんですよ。。(キョーヘー君は屋内にいながら霜焼けを作っておりました、ごめん。)
これまでbooking.comの顧客レビューを最も大切なKPIとしてオペレーションを設計してましたが、それよりも何よりもコロナでズタボロのメンタルを守り生き残る。事業を続けるための運営に切り替えました。
この状況下でも顧客満足度を維持し続けるのがプロなんだろうけれど、マジ無理。
お客様ごめんなさい。
結果、こんな評価になっちゃいました。



それでもコロナ禍の2年間に1日も休業することなく(予約がゼロで閉めてる日は勿論多くあったけど)お店の灯りを灯し続けられたのは、犠牲を伴う割切りがあったこそだと思ってる。
クリエイティビティ(補助金漬け副作用)
ジャブジャブに次から次へと湧いてくる補助金に頼りっぱなしで、制約がある環境下での創意工夫を怠りしゃぶくれ、しゃぶっ!と言っちゃう癖がこの期間についてしまってます。
平時に戻った時、この危機をどう乗り越えたかが競争力に歴然とした差として出るんだろうなぁ、ってのは分かってる。それでも生き残るためにドーピングに頼らざる得なかったのは自分の力不足でしかない。
機動力
宿も銭湯もそこに体を拘束される事業であり、宿運営に関しては2人で行っているので僕の1日は掃除に始まり、掃除に終わってた。ただひたすらにシーツを剥がし、シーツを張り替え、掃除機をかけ、お風呂を磨いていた。
そうなるとですね、経営者として必要な長期的視野のもと布石をどんどん打ってくってのが物理的に難しくなるんです(言い訳)。頭は動かしているし、気持ちを強く持とうとはしたんだけど、体が動かせない。
結局、2年間でアイデアから具体的な行動へと落とし込めたのは今のところゼロ。。
同世代がどんどん新しい事業に挑戦してるのを見ると負けてらんないなと。
コロナ禍の2年間を経て変わったこと
白黒よりグレーなスタンスと持続可能な社会の捉え方
5年後、改めてWITHコロナ時代を振り返る時(収束してたら)、1番の収穫として言えるであろう変化は、この価値転換なんだろうなと思う。
BEFOREコロナはバブルを謳歌しどこか浮き足立ってた。人生甘く見てました。
目標とする指標は売上・稼働率であり、いかに競争を勝ち抜くかはゲーム感覚に近かった。
暇過ぎたお陰で見えてきた周囲との関係性は、これまでの個別最適を追求した白黒つける方法とは異なり、速くて効率的ではないにせよ着実に積み上げ広げていく感じ。
そんな関係性を築く中で自分だけでなく、スタッフ含めた自社だけでもなく、小さな地方都市ががこれからも着実に生き延びるためにはどうするか。地方都市にとっての「Sustainability」・「持続可能な社会」って、自然環境だけの問題に留まらなくて、勿論SDGsバッチを胸につけるだけでは実現するはずもなくて。
コロナは間違いなく大きな困難ではあるけれど、それよりも不可逆的に深刻化する高齢化・人手不足、大手資本によって空洞化されていく地域産業の課題は、マスクして注射打てば良いのとはまた違う、従来の凡ゆる習慣を否定して本気で向き合わないといけない課題だなと。地方都市にとってはもっと広義な意味で「いかに持続が可能な地方都市をつくっていくか」が、僕らにとってはほんとにむか合わなければいけないSustainabilityだよなーと。
これから
更なるドーピングを打ち、借金を増やし、バランスシートを肥えさせます
コロナで後ろ倒しになったと思ってた計画が、突如前倒しになりました。
家業である銭湯を大幅に改装します。
コロナ禍にあっても堅調な地域内需要にはインバウンド依存の観光にはなかった力を感じ、銭湯の可能性を再認識するには良い2年となりました。
より地域に必要とされるコミュニティハブへ、脱炭素社会・災害対策を見据えたエネルギーハブを目指して大胆に攻めます〜!(まずは大幅に膨れ上がった予算への追加融資交渉を・・。)
良い加減、形にします
2号店開業タイミングでの参入を考えてはいたものの延期となっていた旅ナカアクティビティ事業へ参入します。
アフターコロナを見据えた地域外資本によるホテル計画が再び動き出し、2025年までに客室数が更に1,100室くらい増える飛騨高山は相変わらず彼らにとっての良い狩場です。
その動きは止められないと割り切って何ができるか。
地域外の宿に旅行支出の半分を取られても、これまでの支出項目になかった項目を作り、そのお金が確実に地域に還流させる仕組みを、地域住民参加型で観光産業によって多少なりとも自分達の暮らしにメリットがあるんだなと感じてもらえる仕組みの構築を目指します。
第二子誕生します
コロナ禍において他にたくさんやるべきことはあったはずなのですが。
家族がもう1人増え、友人に無料でもらった車の車検・スタットレスタイヤの買い替え時期が重なっていることから車の買い替えが必要になりました。
半導体不足で納車時期が4ヶ月後の新車 vs. その煽りで割高になってる中古車、2WD vs 4WD、FREED6人席 vs. FREED7人席
車ってこんなに高かったんですか。事業だけでなく我家のバランスシートまでぶくぶくと太り始めて今年も冬を迎えます。
皆様ご自愛のほど。
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