cup of teaで働いてくれてる若者2人。
彼らには複業を必須としていて、それぞれ複数の仕事を掛け持ちしながら宿業を手伝ってくれているのですが、そんな彼らの給料のお話。
宿は最低限の固定収入を稼ぐ場
宿はあくまで固定収入を稼ぐ場。自分のやりたいこと・スキルを活かした仕事で事業を作っていく過程でのリスクヘッジとして宿で最低限の給料を、というのがcup of teaの考え方。
正直胸張った額は出せてないけど、その分アイドリング時間は比較的確保しやすいし、宿のオペレーション自体は一度身につけてしまえば難しいことはない。
ただ、給料を支払う上で大事だなと感じている①フェアであること、②モチベーションを高く維持できること、③自分も経営者として複業をどんどん作る人材になることを叶えるための給料体系ってなかなか難しいわけで。。
あれこれ変えてきた給料体系
固定・売上%
開業当時の給料は固定。
正直いくらが妥当かもわかんないし、時給計算なんてしてる暇ないし、とにかくこれで!みたいな感じで始めました。
◎ 支払が簡単 △ モチベーションを上げづらい
固定だと払う方は簡単で良いですが、働く側は宿の状況にどれだけ変動があっても興味なしってなっちゃって、宿の経営にも興味なしとなってしまう。
次に試したのは売上に対してX%を掛けた額。
◎ 支払は簡単 △ やっぱりモチベーションを上げづらい
やはり給料計算を楽しようとパッと金額が出る売上%に変えましたが、やっぱり違う。
売上がよければ全て良しって近視眼的になっちゃって、一番大切な日々接するゲストとのコミュニケーションがおざなりになり、結果的に長期的な売上も下がってしまうのではないかと。あと、宿の予約LTはドミトリーは短いものの、個室は比較的長い場合もあるので、当月の頑張りが必ずしも適切に給料に反映されてないというのもありました。
で、いろいろ考えましたが、当月の3つの要素が適切に反映されることが大事だなと;
自身の稼働時間
宿の稼働率
ゲストの満足度
固定 + インセンティブ(稼働率・顧客満足度)
次に試したのは固定+当月の成績に応じてボーナスをつけるという仕組み。
固定を幾らにするのか、ボーナス対象となる稼働率・ゲストの満足度をどう設定するのか悩みましたが、インセンティブの部分はこんな感じで落ち着いてます;
稼働率
< 70% → – 5,000円
> 75% → + 10,000円
> 80% → + 15,000円
> 85% → + 20,000円
> 90% → + 25,000円
顧客満足度(booking.comゲストによる評価の月次平均スコア)
< 9.3 → – 5,000円
9.3 → 0円
9.4 → 0円
9.5 → + 10,000円
9.6 → + 20,000円
稼働率はシンプルに当月の稼働実績を。ゲストの満足度は予約の大半を占めるbooking.comの口コミ評価の月次平均スコアで決めています。
宿関係者の方々が見ると、9.2で減点!?と驚かれますが、これくらい緊張感持ってやってもらわないと高い品質のサービスは維持できないでしょ!ってハッパをかけまくり、限りなくブラックに近いグレーな職場となりました。
固定 + インセンティブ(稼働率・顧客満足度) + 新規事業売上%
今はまだ試行錯誤ですが、これから変えていきたい給料体系がこれ。
今後どんどん立ち上げていきたい新規事業にスタッフを巻き込み、リードしてもらい、売上をあげればその分払う。彼・彼女もリーダーになってもらって、事業を展開してもらいたいなーと。
でも失敗を恐れて一歩前に進めないってならないように、宿に関わってもらうことでベーシックインカムは保証する。
じゃー将来的に新規事業が大きくなった時は宿捨てられる?って点は、捨てられるんじゃなくて、より多くの仲間が宿に関与することで、各自の負担を軽くする。
新規事業はゲストが高山に入ってから出るまでのジャーニーの中で発生する接点を事業化していく予定なので、その中のコアとなる宿業には誰もが薄く軽く関わってもらいたいなーと思うのです。
雇う側ができること
そんなオフブラックな給料体系を提案する中、僕ができること。
いかに宿の稼働をあげる仕組みを一緒に考え形にするか
いかに顧客満足度をあげる仕組みを一緒に考え形にするか
いかにオペレーションの無駄を排除する仕組みを考え形にするか
いかに新規事業のタネを創り・与え・育てるか
これに尽きるかと。
インセンティブあげるんだから稼働あげなさい!ゲストを満足させない!ではやはり無理があるので、そこはスタッフ総出で日々考え、日々調整しながらここまでやってきました。
宿は仕組み化を徹底して、誰でも高品質なサービスを提供できるように整備して、本来やりたいこと・自身のスキルを新規事業で活かして、独立した経営者同士の集団を作る・・っていうのが理想なのですが、これがまた難しいんですよね。
コメント
薄給で縛り付けて頑張ら無いと減給すると脅した上に、従業員に経営者の役割までさせて上手くいってもちょっとのボーナスで全てを持って行くオーナーは優秀ですね
コメントありがとうございます!
こちらのブログが高山/地方都市の未来を議論する一つのきっかけになれば幸いです!