飛騨高山の今後の観光戦略を考えてみた

まちづくり

青色吐息ですが生きてます。

以前、旅行客の視点でアフターコロナの観光を考えてみましたが、今度は受け入れる側の視点で観光のあり方を考えてみます。100年に1度か知らんけど、全てが止まったコロナショック。止まらざる得ないこの状況で今一度、これからの”観光”について考え直すには良い機会と捉えてはいかがかなと。

こてんぱんにされた飛騨高山

こちら4月の飛騨高山は上三之町。誰もいなくなりました。

最近は徐々にお店の営業が再開されてはいるものの、「当面の間」休業しているお店もちらほら。

飛騨高山はこれまで”観光産業”に依存していた結果、町から人が消えました。経済も相当にダメージを受けているでしょう。

国・県・市と様々な形で支援頂いてますが、果たして「地元」の事業者が元通りに営業を再開させられるか、そこまで体力が保つのか・・って日々不安です。

こんな時、結局は「大」が残って「小」が涯て、結果、町の寿命も半分に・・ってならないために、どんな次なる一手が取れるか考えてみました。

新たな観光の模索

観光産業の振興ウェイトを軽くしてみてはどうだろう。クラシックな”観光”の。
または、今一度、”観光”を振興する目的をはっきりとさせてみてはどうかと。

人々が飛騨高山を”観光目的”に訪問することは素敵だと思うのですが、
飛騨高山が”観光産業の振興をすることに相変わらずの違和感があります。

更なる”観光地化”を目指す、”観光地化”を目的としたまちづくりには違和感があります。

以前の投稿では観光は結果であって、目的手段であってはならないと書いてましたが、最近は結果でもあり、長期的な大ボラ(ビジョン)を実現するための”手段”(戦術)としても使えるなと。

では次なる観光とは?

と 世界を見てみると、オランダ・デンマークの事例が先行していそうですが、LOCALHOOD for everyone、Residents Firstってキーワードにある通り、オーバーツーリズムへの対策として、やっぱ地域住民大事よね、そこを大事にしないと未来の観光はないよね、って考え方が広がってる模様です。ただ、地域住民ファースト、だけだと片手落ち感があります。そもそも観光がなぜ必要か?手段としてどう使いたいか。

オランダ政府、オーバーツーリズムで観光戦略を転換、「量より質」「居住者を最優先」で海外拠点を閉鎖へ
オランダ政府観光局(NBTC)が「2030 Perspective(2030年への展望)」と題した活動指針を発表。受け入れ地域に恩恵をもたらすプロモーションの必要性などを提言。
「観光都市の終わり」を宣言したデンマーク、その意味するものとは?背伸びしない観光都市、その魅力づくりの戦略
2017年に「世界で一番幸福」のデンマークが、こんな宣言を出しました。 ▲:wonderful-copenhagen-strategy-2020 ”THE KING IS DEAD! WONDERFUL COPENHAGEN CONCLUDES THE END OF THE ARE OF TOURISM, AS WE ...

BEFOREコロナの高山って;

”人口減が止まらない!”

”地域の経済を維持するためには、外需が必要だ!”

”観光客、特にインバウンドに力を入れて、世界に冠たる観光都市になりた〜い!”

って感じだったと思うのですが、で、その目的は?ってところが、人口減で減ってる地域内消費を増やすため、だとして、

地域内消費を増やすのは、地域内の事業者・地域住民の所得を増やすため、だとして、

その”観光”振興が地域内の事業者・地域住民の所得を増やしたか?と聞かれるとどうでしょう?


滅多に来て欲しくないコロナという一大イベント。今一度立ち止まって、”観光”が変わるきっかけとしてみてはいかがかと。

”観光”を手段(戦術)として捉え、なんのために”観光”を振興するか、その1つ上の戦略を考えてみます。

この町は何が得意で、どこで戦うのかと。

中長期的な主戦場を明らかにして、生き残るための”手段”として観光も使うって考えたら、飛騨高山はどこで戦えそうかな〜と考えてみました。そしたら”戦術”も自ずと見えてくるのかなーと。

・どんな人に高山に”観光”に来てもらいたいか
・どんな”観光”コンテンツがターゲットに刺さるか
・どんなプロモーション打っていけば、未来の”観光客”は魅力に感じるか

”観光”を別の戦術である”移住政策”に置き換えても同じ

・どんな人に高山に移住してもらいたいか
・どんな制度・仕組みがあれば移住・定着しやすいか
・どんな情報配信したらその人たちが興味を持つか

異なる戦術でも、一つの戦略のもと整合性が取れてたら、より効果が出やすいのかなと。

木はどうでしょう?

木を育てる・木に学ぶ
木を切る
木を使う
木を育てる・木に学ぶ

川上から川下まで、木に関する産業が曲がりなりにも存在するのがこの飛騨地域の特徴だと思うのですが、この産業を強くすること、この産業とより密に生きてくことを中長期の戦略の1つと捉えてみてはどうでしょう。

この産業を強くするためにどんな戦術が必要か。どんな”観光”が必要か。

誰に高山に”観光”に来て欲しいか。

木で自分の人生が豊かになりそうな人は誰か

木の産業を強くしてくれる・ビジネスチャンスを見出してくれそうな企業は誰か

木で人生が豊かになりそうと思えるには、どんな体験がしたいか

木を通してこれはチャンス!と思える・閃くにはどんな体験がしたいか

木を軸にして、異なる戦術が交差しながらも機能したら、木を取り巻く産業が強くなり、より多くの人が高山を訪れ、定着し、結果、また産業が厚くなり・強くなり、それがまた人を引き寄せる、と。

クラシック観光とのバランス・大ボラとの整合性

いつものようにちゃぶ台をひっくり返すと、クラシック”観光”も必要です。

どちらか、ではなく、どちらも塩梅良く、です。

これまでの飛騨高山の観光はクラシックな観光に特化し過ぎてたと思うのです。
クラシック観光の資産があるからこそ、次なる観光についても意識を向けて、”観光”に厚みを持たせてみてはいかがかと(重層化)

観光は戦術であり戦略ではないと思う。
麒麟が来るぞ、麒麟が来るぞー!!は戦術だけど、その上の戦略は何かが不明。

観光を振興する目的(戦略)が明確で、かつ、その戦略が大ボラ(ビジョン)ともしっかりとリンクされてたら、消え行く地方都市といえども、悪あがきはできるんじゃないかなー

知らんけど。

でも、立ち止まらざる得ないこんな時こそ次なる一手を考えるにはこの上ない機会だと思うのですー

知らんけど。

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