旅ナカ事業への参入にあたって考えたあれこれ

その他

2022年明けの投稿で宣言した旅ナカ事業への参入(あれから早4ヶ月。。)。

コロナ初期の頃はインバウンドが戻った時にロケットスタートきれたら良いな程度に考えていた旅ナカ事業でしたが、色々と考える中で意義とかアプローチとかが定まってきたので、一旦整理してみる。

※「旅ナカ」とは旅行をする前段階の「旅マエ」、旅行後の「旅アト」の間、つまりその地を訪れている間の「体験」を指し、この投稿での「旅ナカ事業」は飛騨高山を訪れる観光客に対して提供する体験ツアー・アクティビティサービスを指します。

実はこれくらいしか地域にお金を残す仕組はできない!?

飛騨地域を代表する旅ナカコンテンツは、インバウンド旅ナカといえばこれっ!と言われるSATOYAMA EXPERIENCEのサイクリングツアーがありますが、僕らも来るべきインバウンドが戻ってくるその日に向けて宿+αの単価アップ策をと当初は考えていました。
また、インバウンドバブルの最中に発表される地域外資本によるホテル計画に対しては、行政、不動産オーナー、その他各所に文句をブーブー言うだけではあったのですが、文句言ったって何も変わらないなと。来ちゃうものは仕方がない、彼らも開業してから掃除する人いねーじゃんって苦労もあることだし、僕らは僕らで考えなきゃなと。

そんな中で参入する旅ナカ事業

以前の投稿では偉そうに今後の事業はSustainabilityをトップに置いたツリーの何かしらに該当する事業をやりますなんて言ってましたが、もう少し事はシンプルだなーと。

アフターコロナの事業展開を考える 〜その2〜
地域をサステナブルにするためのハブになる。 これを大ボラに掲げた以上、お金の話ばかりをしていてはしっくりこないことに気づきました。 お金は大事だけど、多い方が少ないよりは良いけれど。 良い塩梅になってる方が大事だなと。

請求書の裏に書いたこの落書き。結局はこれが全て。

①外貨を稼ぎ、②地域でまわす。

コロナ禍に金融機関主催の地方創生セミナーに参加した際、岡山大学の教授(?)がおっしゃっていたんですが、ほんっとこれ、これが全て。

その地域が生きていくためには、地域外からもお金を稼ぎ、地域内で循環させる

観光(地方都市が外貨を稼げる数少ない手段)における最も大きな支出項目は宿泊。ここを地域外に漏らしてたら何のために観光振興してんの?と言うのがこれまでのスタンスでしたが、ここまでブレーキが効かない資本の流れに対して一民間事業者がどうにかできる訳がなく。

宿泊税等、行政ができることはいくつかあるとは思いますが、民間発でもできることは何か。

これまでになかった新たな支出項目を作って、そこだけは死守すること。
んで、地域内に残るお金を増やすことで観光産業が抱える諸問題(サービス産業の低賃金、街の偽デズニーランド化、地域住民の感心低下、etc.)を改善させること。

滞在中の体験サービスを地域の人間が提供する旅ナカ
宿もダメ、交通もダメ、ご当地ポテトチップスが大人気のお土産もイマイチな今では、もうこれしかないなと。

日本人観光客と相性が悪く、外国人が戻るのは当面先

ようやく光が見えてきたとは言え、訪日外国人がBEFOREコロナ期水準まで戻るとされてるのが2024-2025年。まだまだ日本人観光客を中心に据えた事業開発が必要なのですが、旅ナカは日本人観光客との相性が悪いっ!

1泊2日の週末旅行。
高山へはどんなに頑張っても3大都市から3時間-5時間はかかります。
現地に到着するのが1日目の午後。現地を出発するのが2日目の午後。

正味24時間のうちに宿泊以外でどれだけお金を落として頂けるか、ですが、こちらが打ち手を出す前に大体旅程って決まってるもんです。こんな山奥までやって来て特に予定を立てぬまま現地で面白そうなコンテンツをと考える観光客はほぼおらず。また、0.5-1日拘束されるツアーを旅マエから目指してくる人がどれだけいるだろう?拘束できる程の価値あるツアーがどれだけあるだろう?

街並みを見ながらの買い食い、神社仏閣訪れたらもうこんな時間、と言うクラシカル観光な過ごし方が大半の高山では、一般ルートから逸れる体験は選択肢として刺さりにくい。

冒頭にあげたSATOYAMA CYCLINGも日本の田舎に数日滞在する外国人にとってはキラーコンテンツだったけれど、田舎の田園風景を価値と感じる外国人にtoBから予め抑える商流以外では多分苦労してるはず(推測です)。

①1泊2日の短時間滞在中に、②想定していなかった出費でも価値を見出してもらえるコンテンツとは?

マスの日本人観光客にはハードルが高そうな旅ナカ事業ですが、バケツに穴が空いてて水漏れが止まらないように、お金が地域外へと漏出し続けてるクラシカル観光産業をこのまま振興する限りはこのハードルを越えなければいけません。

ではどんな旅ナカを?

たまたま さくっと、誰もが参加可能で、尾をひく 旅ナカ

観光地 飛騨高山の特徴ってなんだろうと考えると、市街地の徒歩圏内にクラシカル観光エリアが集まっていて、1泊2日で大体歩いて見て回れた気になれるとこだと思っています。
訪れた時にたまたまイベントやってる率が高かった(コロナ前は)のも、観光に来た感(?)を出すには効果的だったのかな。

飛騨高山が観光地として人気の理由は?(高山の底力編)
本ブログ1番人気の投稿にあやかり、別の角度から飛騨高山が観光地として選ばれてる理由を考えてみました。 こちらも実はたまたまラッキーが積み重り、やがて高山の底力となっているのではないかと思うのです。

話とんでクラシカルな観光資源に乏しい(失礼っ!!)名古屋ではこんなツアー会社があるそうな。

大ナゴヤツアーズ DAI NAGOYA TOURS
大ナゴヤツアーズとは、東海エリアの良いヒト・モノ・コトを集め、「好き」「おいしい」「面白い」など驚きの発見や感動ができる体験プログラムです。日本酒の蔵元、老舗料亭の女将、城好きのラジオDJ、渋いビル好きの建築家など、バラエティに富んだガイドさんと一緒につくりました。あなたらしいすぐそこにある旅へ出かけましょう。

名古屋圏のローカル個人に光をあて、クラシカル観光とはちょっぴり異なる楽しみ方を提案するこの旅ナカサービス。

誰もが観光コンテンツとなり得て、人と人との関係性をきっかけに新たな旅の楽しみ方を提案するアプローチはこれまでのクラシカル観光にはなかったなと。

飛騨高山と大ナゴヤツアーズの特徴を掛け合わせ、制約の多い日本人観光客に対しても価値訴求できる旅ナカできないかなーと考えて辿り着いたのがこれ;

たまたまさくっと、誰もが参加できて、尾をひくこと。

たまたま さくっと

高山を訪れたら、「たまたま」やってた、面白そう、参加しよう。こうもっていきたい。
先に書いた通り、1泊2日のクラシカル観光客の皆様は時間がありません。そんな中でも数少ないチャンスとしては夕食前後かと考えていて、そのタイミングで「たまたま感」を演出し、予約不要で安価にさくっと参加できちゃうツアー。このたまたま & さくっとは結構キーな気がしています。

誰もが参加できる

たまたまやってるツアーにさくっと参加できることは参加ハードルを下げるために重要ですが、サービス提供側にとっても、この考え方は重要ではないかと。

特徴ある個人がツアーを提供している大ナゴヤツアーズでは、コンテンツ(特徴ある個人)を増やすことで収益機会を増やすのに対し、特定のコンテンツを地域の誰もが提供できる様に標準化した仕組を整備できないでしょうか?

ツアーの素材は既にあるクラシカル観光地の利を活かし、特別な知識・技術がなくとも、その気さえあれば誰もが外貨を稼ぐことができ、”観光”の恩恵を得られる、そんな仕組みはできないかと考えています。

尾をひく関係性

安価なツアー提供だけでは、数をかせぐしかないし、ローカルとの接点を単発で終わらせるのは勿体無い。

観光客とローカルとの接点から生まれる関係性を単発で終わらせることなくいかに持続させられるか、旅行が終わってからも尾をひかせるかによって、旅ナカコンテンツを起点とした観光産業の波及効果は広げられるんではないかなと。

1泊2日での滞在に外貨獲得の機会を限定するのではなくて、滞在を顧客接点を作るポイントと捉えて、旅行後にも継続してアプローチできる関係を築き、そこから特定コンテンツを支援するふるさと納税等の購買へとつなげたり。

この旅ナカから旅アトへと繋げるのって、言うのは簡単ですが実現するには観光客の情報を有効活用できる体制整備が必要で、行政・観光協会が音頭を取る必要が出てきます。実際インバウンドで成功しているとされてる高山市でさえも観光データが部署間で共有・有効活用されるに至っておらず、観光産業の経済効果を波及させる余地はまだまだあるのではないかなーと。(個人情報保護のうんぬんかんぬんは知らんけど)

いかに打率を上げるか、小銭稼ぎで終わらせないか。

この旅ナカを事業化させる上でポイントになりそうなのは2つ。①いかに集客・送客するのか、②旅ナカ起点の効果をどこまで波及させられるか。

①は最盛期に年間230万人が宿泊してた飛騨高山の夜に、どれだけの宿泊客を街へとくり出させる仕組みを作るか。これは一民間事業者がマーケティングするのだけでは効果は限定的なので、地域単位での事業に発展させられるかが正否の分かれ目。

②はもう観光産業だけの取り組みじゃないです。そもそも観光産業だって税収を増やすとか、地域内事業者の所得を上げるための一手段でしかないので、そもそもの地域経済施策における1つの目標を、「外貨獲得の最大化」と設定しさえしてたら必然と観光産業の位置付けとか他産業との連携が必要となって来るはず。各事業者の横連携だけでなくて、行政含め一丸となって取り組むべき問題として捉え、そこは皆で頑張りましょうよと。(今の観光産業を継続した先の危機感みたいなものを正しく、しっかりと共有した上で)

それさえできれば、まだまだクラシカル観光も捨てたもんじゃないと思うんですよね、
これ実現したいなぁ。。

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