ゲストハウスを開業してはや3年半。紆余曲折あった中で、ゲストから時々聞かれるこんな質問。
「なぜ ゲストハウスを始めたのか」
今の状況だと遠い目をして回答に窮するこの質問。
コロナ禍以前は相手を見て、大丈夫かなと思った人にはこう答えていました。
「宿は片手間でできるキャッシュマシーンだから。」(コロナ禍以前はね)
大体は面食らって理解されずに苦笑い。こんな宿来るんじゃなかったと内心思ってるかも。
同業経営者が聞いたらなんて思うだろう。。
まて、未来のゲストがこの投稿を見たらどう思うか。。
やっぱりあまり言わないでおこう。
観光業にとっての宿泊施設とは
旅行支出のうち宿泊費は約半分を占めると言われてる。
地方都市において「観光」を振興する目的が「地域経済を回すための外貨を稼ぐ」ためだとしたら、
この「宿泊費」が地域内資本に流れるのか、地域外資本に流れるのか、って結構大きい。
(かなりざっくりと言うと、地域外資本に流れた場合、そのお金は本社のあるどこかへ流出し、地域に残るのは清掃等で雇用されたパートタイムスタッフの時間給だけになる。)
となると、地域内資本の宿泊施設を経営する者として、
①地域外資本の宿泊施設との競争に勝つ、だけでは片手落ち感があって。
その宿泊施設に泊まることが目的でない限り、その観光客はその地に何かしらの魅力を感じて来てくれた訳で
となると
②観光都市として、持続可能な街として生き残るために、利益を地域に再配分していくこと
も 宿泊施設果が果たすべき役割なのではなかろうかと。
それは頂いた宿泊代金を地域内へ還流させるって方法もあれば、
宿を媒介にして更なる外貨を稼ぐ仕組みを構築することも一案。
ここを逃すと観光で潤ってるっていう世間のイメージとは裏腹に、実は儲かってなくね?となる。
それが地域住民にとって観光客がわんさか来てる割には自分たちにメリットがないと不満に繋がり、観光都市のまちづくりにおいて観光従事者とそうでない者の間に分断がうまれる。
コロナ禍以前は、THE観光地において盛り上がれば盛り上がるほどに、地域にお金が残らない矛盾に気付きながらもどうしたら良いか分からない状況だった、はず。
だからこそ、自分たちの宿はそこで確実にキャッシュを稼ぐ存在でなければいけないし、そこで得たお金を地域に再投資する責任を背負ってると思ってた。
ではキャッシュマシーンになる宿って?
キャッシュマシーンとなる宿の条件
売上が高い宿 と 運営コストが低い宿
では売上が高い宿とは
宿って結局は不動産商売なので、稼働率が高い宿≒売上が高い宿というのが一旦の僕の結論。
では稼働率が高い宿とは。
ここが宿によって他社との差別化戦略につながってくるのだけど、BEFOREコロナのcup of teaは
価格(競合施設の価格を分析しまくってた)+ ハコのデザイン性 + 考え抜かれたサービスによる高い顧客満足度
でやってこれたけど、それって何もせずともわんさか人がやって来る前提での差別化要因だった。
はて 人が来なくなった今、どんな宿が選ばれるのだろう?と。
cup of teaはどのようにして借金の返済地獄を乗り越えていけば良いのだろうか。
これからの宿スタッフに求めていきたいこと と 宿の差別化戦略
これからの宿って、スタッフの特徴が大きな差別化要因として効いてくると思うのです。
そこで働くスタッフが分かりやすく言えば新しい観光のあり方を提案するデスティネーションとなることが、これからの宿の差別化要因になってくるのではないかと思うのです。
デスティネーションになる部分はスタッフそれぞれが個人事業主として尖る部分で、宿は複業?副業?の1つで良い。
となると、これから一緒に働きたい人は、自身がデスティネーションとなるために好きなこと・得意なことを追い求めてる人。個人事業主として各々がやりたいことを実現するために、宿はベーシックインカムの供給元となり彼/彼女の夢を支援する。各スタッフが事業に集中できる環境を整えつつも、宿のオペレーションも滞りなくまわる仕組みを整えることが宿経営者の役割なのかなと。
宿のオペレーションって至ってシンプル。
掃除してゲストとの会話を楽しむ
ただそれだけ。
ただそれだけ、になるように、オペレーションはどこまでも無駄を削ぎ落とし、
誰もが負担なく運営できるような仕組みを整える、ここ大事。
コストを抑えながらもゲストの満足度を最大化させるためのオペレーションで、デスティネーション化・特技が価値となる新たな観光資源を手にしたスタッフが片手間でまわせる宿にする。
これができたらどんな黒船がやってきたとしても負けない気がするんだよなー。
「宿は片手間でできるキャッシュマシーン」って軽々しく言ってるけど、
半分は嘘で半分はほんと。
だからキャッシュマシーンって言葉にアレルギー反応示さないでくださいね。
この投稿を見たとしても、それでもcup of teaにお越しくださいね。
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